建築費高騰の背景
近年、建築費は高騰の一途をたどっています。主な原因は、建築資材費や人件費の上昇です。資材価格は、世界的な木材需要の増加やウクライナ情勢による資源価格の高騰など、様々な要因で上昇しています。また、建設業界の高齢化による人手不足も深刻で、熟練技術者の確保が難しくなり、人件費の上昇を招いています。さらに、2024年から始まる建設業の残業規制強化(2024年問題)も、さらなる人件費の増加を加速させると予想されています。
構造別:坪単価とメリット・デメリット
建築費は構造によって大きく異なります。
1. RC造(鉄筋コンクリート造)
- 坪単価: 120万円〜140万円
- メリット:
- 高い耐久性: 耐震性、耐火性、防音性に優れています。
- 資産価値の維持: 長期的に価値が下がりにくい傾向があります。
- デメリット:
- 建築費が高い: 他の構造に比べて初期費用が最も高くなります。
- 工期が長い: コンクリートの養生期間が必要なため、工期が長くなります。
2. 鉄骨造
- 坪単価: 90万円〜110万円
- メリット:
- 柔軟な設計: 大空間や大きな窓など、自由度の高い設計が可能です。
- 工期の短縮: 柱や梁を工場で生産できるため、現場での工期を短縮できます。
- デメリット:
- 熱に弱い: 高熱で強度が低下するリスクがあり、耐火被覆が必要です。
- 防音性が低い: 音が響きやすいため、防音対策が別途必要になる場合があります。
3. 木造
- 坪単価: 60万円〜90万円
- メリット:
- 建築費が安い: 他の構造に比べて初期費用を抑えられます。
- 環境に優しい: 木材は再生可能な資源であり、環境負荷が低いとされています。
- デメリット:
- 耐震・耐火性: RC造や鉄骨造に比べて劣ります。
- 資産価値の下落: 経年劣化により、資産価値が下がりやすい傾向があります。
木造アパートの増加とその背景
近年、木造アパートの建築が目立って増えています。これには、主に建築費の高騰が関係しています。RC造や鉄骨造の建築費が上昇する中で、比較的安価な木造は収益性を確保しやすいという点が注目されています。
また、法改正も木造建築を後押ししています。2025年からは4階建て以上の建築物についても、一定の条件下で木造が建てられるようになります。このような規制緩和も、今後ますます木造建築が増える要因となるでしょう。
不動産M&Aにおいても、木造アパートは有力な投資対象となっています。高利回りを期待できる一方で、メンテナンス費用や売却時の価格下落リスクを考慮する必要があります。
まとめ
建築費の高騰は不動産市場に大きな影響を与えています。特に、RC造や鉄骨造の建築費上昇に伴い、コストメリットのある木造アパートへの関心が高まっています。M&Aの検討にあたっては、それぞれの構造の特性を理解し、将来的なメンテナンスやリスクを考慮した上で判断することが重要です。
投稿者プロフィール

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代表取締役 CEO
滋賀大学卒業後、大手メガバンクを経て地方銀行で支店長、本店営業第一部長、法人業務部長兼地方創生支援室長等を歴任、退職後に不動産保有法人を設立、M&Aによる売却と購入を経験。
神戸大学大学院経営学研究科修了(MBA)
神戸大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)
専門は中小企業金融 / 日本金融学会会員 / 宅地建物取引士
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