事業を成長させ、企業価値を高めるためには、経営資源の最適な配分が不可欠です。多くの企業が直面する課題の一つに、複数の事業を手掛ける中で、どの分野に注力すべきかという「事業の選択と集中」があります。そして、この戦略的転換において、法人で保有する不動産が大きな鍵となることがあります。

特に、「いま最も注力したい事業があるものの、一方で、あまり稼働していない事業部が、その活動拠点となる不動産を抱えている…」といったお悩みをお持ちの経営者様にとって、不動産M&Aは、「選択と集中」を強力に推進する有効な手段となり得ます。

「選択と集中」が企業成長に不可欠な理由

「事業の選択と集中」とは、自社の強みや将来性が見込める中核事業に経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を重点的に投入し、それ以外の事業からは撤退したり、投資を抑制したりする経営戦略です。

なぜこの戦略が重要なのでしょうか?

  • 資源の最適配分: 限られた経営資源を多方面に分散させるのではなく、最も効果を発揮する領域に集中させることで、効率的な成長を促します。
  • 競争優位性の確立: 特定分野に特化することで、専門性や技術力を深化させ、その分野でのリーダーシップや差別化された競争力を築くことができます。
  • 収益性の向上: 不採算事業や低効率事業からの撤退は、無駄なコストを削減し、収益性の高い中核事業への投資を可能にすることで、企業全体の収益力向上に直結します。
  • 変化への適応力: 時代の変化が激しい現代において、事業ポートフォリオを定期的に見直し、柔軟に再編する能力は、企業の持続的成長の基盤となります。

不動産M&Aで「選択と集中」を加速する

では、具体的に「不動産M&A」がどのように「選択と集中」を後押しするのでしょうか?

もし貴社が、

  • コア事業に集中したいが、周辺事業部の不動産が遊休資産化している。
  • 注力事業への新たな投資資金を必要としているが、既存事業の不動産が固定化されている。
  • 不採算事業からの撤退を考えているが、その事業が保有する不動産の扱いが足枷になっている。

といった状況にある場合、**不動産M&Aを活用し、「あまり稼働していない事業部ごと、その活動拠点となる不動産とともに切り出して売却する」**というスキームが非常に有効です。

このスキームの具体的なメリット:

  1. 資本の再配分(資金化): 不動産を保有する事業部を売却することで、その売却代金を資金として得ることができます。この資金を、いま最も注力したい成長事業の研究開発、設備投資、人材育成、あるいは新たなM&A資金として投下することが可能になります。これにより、眠っていた資産が「活きた資本」へと転換され、経営資源の最適配分が図れます。
  2. 事業ポートフォリオの最適化: 不採算または非戦略的な事業部とそれに紐づく不動産を切り離すことで、経営資源の分散を防ぎ、企業全体の事業ポートフォリオをより強固なものに再構築できます。これにより、企業としての方向性が明確になり、市場からの評価向上にも繋がります。
  3. リスクの軽減と経営効率の向上: 遊休不動産や低稼働の事業部が抱える維持管理コスト、固定資産税、修繕費といった潜在的なリスクや負担から解放されます。経営の意思決定が迅速化し、中核事業への集中を妨げる要因が取り除かれるため、経営効率が格段に向上します。
  4. 専門家によるスムーズな実行: 事業部の切り出しと不動産の売却を伴うM&Aは、税務、法務、不動産評価、事業評価など多岐にわたる専門知識を要します。私たち不動産M&Aパートナーズ株式会社のような専門家が、貴社の「選択と集中」戦略を深く理解し、最適な買い手とのマッチング、複雑な交渉、契約実行までを一貫してサポートすることで、経営者様の負担を最小限に抑え、スムーズなプロセスを実現します。

まとめ

「事業の選択と集中」は、現代の企業経営において避けては通れないテーマです。そして、法人で保有する不動産が、この戦略実行の足枷となることもあれば、逆に強力な推進力となることもあります。

もし、貴社が主力事業への資本集中を検討されており、その過程で法人所有不動産の最適化が必要とお考えであれば、ぜひ不動産M&Aという選択肢を視野に入れてみてください。私たち不動産M&Aパートナーズ株式会社が、貴社の持続的な成長と企業価値向上に貢献するための最適なソリューションをご提案いたします。

投稿者プロフィール

平田佑樹
平田佑樹
シニアアドバイザー
大阪大学大学院博士前期課程修了、地方銀行に約10年間勤務し法人営業部門にて不動産融資等を担当。
その後、不動産仲介・コンサルティング業を行う法人を設立し、代表取締役に就任して不動産仲介、財務コンサルティング業務を行う。
宅地建物取引士